さいたま市域を会場に、世界で活躍するアーティストが「さいたま市らしさ」を表現する国際芸術祭「さいたまトリエンナーレ2016」が9月24日、開幕した。
トリエンナーレは、3年に1度開かれる国際芸術祭のことを意味し、国内では新潟県妻有越後地域を会場に開催される「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」や、瀬戸内海の島々を会場に開催される「瀬戸内国際芸術祭」などが有名。さいたま市では今回が初めての開催となり、さいたま市内の与野本町駅~大宮駅周辺、武蔵浦和駅~中浦和駅周辺、岩槻周辺の3拠点を中心に12月11日までの79日間の会期中、さまざまな作品展示やパフォーマンス、イベントなどが繰り広げられる。
さいたま市でトリエンナーレを開催することについて、ディレクターの芹沢高志さんは「今回、アーティストの来日を前に、さいたま市がどんな歴史や文化的な背景を持つ場であるか『さいたまスタディーズ』というプロジェクトで掘り下げたところ、縄文の昔から、絶えることなく連綿と、人が住み続けてきた『生活都市』であることが分かった。この生活都市に国内外で先進的な活動を展開するアーティストたちが滞在し、アート作品を市民の皆さんと一緒につくることで、タイトルの「未来の発見!」につながれば」と説明する。
「海外から有名な作品を持ってくるのではなく、アーティストが市内に滞在し、『地域性』を読み解き作品にするのも今回の特徴」と芹沢さん。「開幕したときが完成ではなく、会期中になるべく多く見市民の皆さんが参加し、共に創造することをアーティストも理解し、さまざまな企画を用意している。美術界だけではない方々が加わることで、アーティストも、作品も、会期中にどんどん変化していく。そのプロセスに参加し、楽しんでもらえれば」とも。
国内外のアーティストの作品は3拠点を中心とする市内各地で無料(一部を除く)で鑑賞できるほか、住民参加型の市民プロジェクトも多数開催される。会場地図やイベントのスケジュールは、ホームページで確認できるほか、ガイドブックも販売されている。