大宮駅東口の音楽セレクトショップ「more records(モア・レコーズ)」(さいたま市大宮区仲町2、TEL 048-677-0862)がオリジナルレーベルをスタートし、第1弾として、ロンドンで活躍するフランス人のトリオ「Evergreen(エバーグリーン)」のCD「Towards(タワーズ)」を3月1日にリリースした。
初のオリジナルレーベルEvergreenの「Towards」リリース
大手CDショップに勤めていた橋本貴洋さん・由紀子さん夫婦が「自分たちで選んだ音楽を、音楽好きな人だけではなく、いろいろな人に届けたい」と6年前にオープンした同店。橋本さんは「今は通販で音楽を入手する人も多いと思うが、知らない音楽を聴いてみて、気に入って買うという楽しみを思い出してもらいたい」と、店で販売する全てのCDは試聴できるようにしている。
橋本さんは「CDが売れにくくなり、最近のヨーロッパなどでは、配信だけで曲を発表するアーティストも増えている。そうすると、ますます日本に向こうの音楽が入って来なくなってしまう」と感じているという。「それならば自分たちでやるしかない、とオリジナルレーベルを立ち上げることにした」と話す。
自分たちで探し出したアーティストに連絡を取り、1年かけてメールでやり取りし、発売にこぎ着けた。「趣旨を説明し、すでに出ているCDのジャケットの変更や、曲の順番を変更したりしたい旨を、苦手な英語で説明しなければならなかったことも。先方が休暇に入り返事がなかなか来ないなど苦労もしたが、どうしても出したいという思いを貫いた」と話す。
同グループは2008年、パリの文学部の学生だったMichael LiotさんとFabienne Débarreさんにより結成。その後、William Serfassさんが加入し、現在のトリオ編成になった。2014年にファーストアルバム「Towards」をリリース。今回日本で出すCDには他のCDからの曲も追加している。
曲のジャンルは、ポップミュージックだが、由紀子さんは「曲によって印象が変わる。音楽を普段それほど聞かない人にも聞きやすい音楽で、でも音楽に詳しい人にも満足してもらえる要素がある」と話す。
「苦労よりも、久しぶりにわくわくさせてくれる音楽に出合えてうれしいという思い。一人でも多くの人の耳に飛び込ませたい。視聴するだけでも構わないので、一度聞きに来ていただければ」とも。
現在は同店と、普段からつながりがある大阪のCDショップの2カ所で販売。橋本さんは「CDを取り扱ってもらえる店を募集している。CDショップに限らず、美容院、カフェ、雑貨屋さんなどで置いてもらえたら」と呼び掛ける。
営業時間は12時~21時。月曜定休。