大宮区役所に隣接の稲荷(いなり)として市民に親しまれている「倉屋敷稲荷神社」(大宮区大門町3)で3月8日、春の訪れを告げる「初午(はつうま)祭」が催され、地域の氏子を中心に多くの人でにぎわった。
初午は、2月最初の午の日に行われる「お稲荷さんの誕生日」。旧暦では現在の2月下旬から3月中旬に当たるため、同社では比較的暖かく参拝しやすい気候になる3月の初午の日に催行している。
同祭では、キツネの面などを着けた踊り手がおはやしに乗って神楽を奉納する。白狐(びゃっこ)の役を演じた金井敏彦さんは、「15~6年は踊っている。引き継いだ踊りと、自分なりにアレンジした踊りを組み合わせている」と話す。ひょっとこ役の谷中登さんは「ひょっとこにもいろいろな表情がある。今日の面は滑稽な表情なので踊りも愉快にした」と話す。
境内で振る舞われた甘酒は、同区にある埼玉ベルエポック製菓調理専門学校の講師が作り、埼玉福祉専門学校の学生2人が配布を手伝った。同校学生の佐原瞳さんは「福祉の勉強をしているのでいろいろなボランティアを経験したが、お祭りの手伝いというのは珍しいので面白い」と話した。
参拝に来た女性は「隣接する区役所に勤めているのでよくお昼休みにお参りにくる。今日はおいしい甘酒も頂けて、いつもよりさらにご利益ありそう」とほほ笑んだ。