生物系特定産業技術研究支援センター(さいたま市北区日進町1)が4月6日、一般公開され、最新の研究成果の披露や最新機器のデモンストレーション、大型農業機械に触れるコーナーなどが展開された。
同センターは、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構の研究所。バイオテクノロジーなどに関する民間の研究開発の支援や、農業機械分野における産学官共同研究などを行っている。
年に一度の一般公開日であるこの日は、通常は入ることができない研究所の敷地内で、さまざまな展示や体験、デモンストレーションが行われた。
農業機械のデモンストレーションでは、牧草ロールを大型のラップのようなものでくるむ「ペールラッパ」の実演が行われ、大きな干し草ロールがクルクルと回る様子に子どもたちから歓声が上がった。また、大型の農業機械の運転席に乗ることができるコーナーでは多くの親子が運転席に乗り込み、記念撮影していた。ほかにも、果樹の摘み取りで活躍する高所作業車の乗車体験や、果樹に効率的に薬剤を散布する「スピードスプレイヤー」の散水実演などが催された。
農業機械の展示では、共同研究を行う各メーカーの最新機器を多数展示。同センターが開発し今や多くの機会で採用されている田植機の主要な機構のデモ機械なども並んだ。
同センターの最新の研究成果のパネル展示などもあり、イチゴを極力傷めずに収穫することができる「いちご収穫ロボット」、野菜の接ぎ木作業を省力化する「全自動接ぎ木装置」、「ネギ収穫機」、自動的にネギの皮むきと太さ判別を行う「高効率ネギ調製機」などを紹介。また、福島第一原発事故による放射能汚染地域の農地の除染作業を支援するために新たに開発した「農道表層?ぎ取り機」や「用排水路土砂すくい上げ機」、田んぼのあぜやのり面の表土を?ぎ取る機械など、すでに現地で活躍している機器や、より線量の高い地域での実用化を目指す「遠隔操縦トラクタ」などの紹介も。
同センター企画部長の西村洋さんは、「今年はサクラの開花が早く、すでに散り始めてしまっているのが残念。それでも、多くの方が来てくださってうれしい」と話した。