さいたま新都心の「埼玉県男女共同参画推進センター(With youさいたま)」(さいたま市中央区新都心2、TEL 048-601-3111)で6月28日、女性創業支援セミナーが行われた。主催は日本政策金融公庫とさいたま起業家協議会。
「わたしの創業 ホンネの話」と題した今回のセミナーは女性限定で、創業から約2年が経過した2人の女性起業家が創業前後や現在について「リアルな本音のエピソード」を披露するパネルディスカッション形式で行われた。
パネリストで、さいたま市で和雑貨を扱う「つくりえ」を営む塚田敬子さんは、カナダで暮らすうちに日本のものづくりのすごさに気付き、帰国後、和雑貨店を始めた経緯を話した。その後、火災で店舗を失いつらい体験をしたが、「商品開発の時間ができた」と前向きに捉え新商品を考案し、インターネットで販売を続ける現在の状況を説明した。「専門家に相談するなど、いろいろな人に協力してもらいながら作ってきた。自分の強みが分からないから人に聞く」など参加者の質問に答えて経験を語った。
同じくパネリストで「Magnetic Pole(マグネティック・ポール)」の北村久美子さんは、展示会で秩父の織物と出合い魅了され、師匠の下で20年間修業し、2015年に起業した経緯を話した。北村さんは「生地がきれいで、触ってみたいという気持ちが修業へのきっかけだった」と振り返った。販路開拓や工房づくりなどについて説明し、「海外の見本市に出展する準備をしている。インターネットでものづくりの現場を知ってもらう努力をしている。消費者に選んでもらえるようにと考えている」と話した。
コーディネーターを務めた中小企業診断士の近藤美恵子さんも2008年に経営コンサルタントとして独立しており、自身のエピソードも織り交ぜながら司会進行した。実体験に基づいた詳しい話に受講者は聞き入っていた。
参加者で北区に住む岡田ゆきよさんは「山梨県で古いペンションを買い取りシェアハウスにする事業を行う予定。資金面のことを知りたいと思い参加した。ものをきっかけにした起業があるのだと知り、すてきだなと思った」と話した。