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さいたま芸術劇場で1950~60年代の日本映画上映 35ミリフィルムで

埼玉映画ネットワークの山口さん

埼玉映画ネットワークの山口さん

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 埼玉映画ネットワークは8月10日から、彩の国さいたま芸術劇場・映像ホール(さいたま市中央区上峰3)で日本の不朽の名作を上映する「優秀映画鑑賞推進事業」で1950~60年代の日本映画を上映する。

映画のポスターが貼られている彩の国さいたま芸術劇場・映像ホール受付(関連画像)

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 同団体は、「大手映画劇場で上映されなかった作品」「過去の作品」などをセレクトして月1~2回、3~5日間にわたり同劇場で上映会を開催。上映するフィルムは、同団体が各団体や映画館などに直接交渉し借りてくるものがほとんどで、貴重なものもあるという。

 毎年恒例で行っている同事業は、映画保存への理解を深め、優れた映画を鑑賞してもらうことを目的に、文化庁と東京国立近代美術館フィルムセンターが日本各地の文化施設と連携・協力して、所蔵映画フィルムを全国の会場で巡回上映しているもので、同劇場での上映を同団体が運営している。

 上映するのは、来場者からのアンケートを参考に決められる。今回は、「名もなく貧しく美しく」(1961年、出演=小林桂樹・高峰秀子)、「裸の島」(1960年、同=乙羽信子・殿山泰司)、「この広い空のどこかに」(1954年、同=佐田啓二・久我美子・高峰秀子)、「煙突の見える場所」(1953年、同=田中絹代・上原謙・高峰秀子)の4作品。

 同団体事務局の山口浩太さんは「今回特にリクエストが多かった4作品が選ばれた。個人的にはどれも初めて見たが、確かに面白いと膝をたたくものばかり」と話す。「特に1960年に製作された『裸の島』は、瀬戸内海の無人島で暮らすある家族の暮らしを、セリフを一切排除し黙々と描いている作品。画面に映されている描写から目が離せず、世界64カ国に輸出されるほど評価されたことにも納得」とも。

 全作品を35ミリフィルムで上映する。山口さんは「今はフィルム用の映写機が撤去されてしまった映画館が多いので、今回の作品はシネコンなどの大手の映画館では見るチャンスは限られているはず」と話す。

 「今回の作品は、約50~60年も前の作品だが、今見ても心に訴えるヒューマンドラマの傑作ばかりで、年代も好みも幅広い。1日に3作品を回替わりで上映するので、朝から夜までで複数本見ていただくことが可能。暑い日が続いているので、室内の映画鑑賞で心も体もいたわっていただければ」とも。

 上映時間は各日10時30分~、14時~、17時30分~。3作品を回替わりで上映。鑑賞料は1作品500円、未就学児無料。各回入れ替え制。今月13日まで。

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