さいたま北の2代目商店主らが連携し、6月中旬、プロならではの技や専門家しか知らないコツを市民らに伝える「まちなかゼミナール『EOゼミ』」を開講する。

　企画するのは、さいたま市北区東大成町と周辺の若手有志によるグループ「EOタウン（イーオータウン）」。祖父や父親の代から地域で営んできた商店や会社を経営する30～40歳代の若手十数人が所属している。きっかけは、県が主催していた「埼玉あきんど未来塾」。2代目として地域で商売することの難しさや危機感を感じ、数人が塾に出席していた。塾の修了後、「自分たちでも何か始めなければ」と数人が集まり、同会が結成された。会議はいつも、店が終わった21時ごろにはじまり、議論はいつも夜中まで続くという。

　会ではこれまで、合同で割引チラシを4回にわたって配布する活動をしてきたが、効果は限定的だった。そこで、「長い目で見たときに、お店のコアなファンになってくれる人をつくりたい」との思いから、まちなかゼミナールを企画した。

　ゼミでは、ガソリンスタンド店主による「チャイルドシートの正しい取り付け方」や、うなぎ屋店主による「魚のさばき方のコツ」、時計店店主による「天然石を使ったブレスレットづくり」、眼鏡店店主による「フレーム選びのポイント」など、8つの講座を用意する。

　中心メンバーの一人、日野商店の日野さんは「ゼミナールを通して、店主の人柄を知っていただき、お店や商店街のファンを増やしたい」と話す。会長の「うなぎ よしみ家」の本田さんは「1店舗では、力に限りがある。店舗でアイデアを出しながら、みんなで町内を盛り上げたい」と話し、しまむら時計店の島村さんは「こうした活動の結果、ゆくゆくはお客さんに集まってもらえるような街にしていきたい」と展望を語る。

　まちゼミは、各店舗に電話で予約できる。開催日時は店舗によって異なる。詳しくは、ホームページで確認できる。