鉄道の街・大宮のシンボルであるJR東日本大宮総合車両センター(さいたま市大宮区錦町)を見学する「親子で行く!大宮総合車両センター探検隊」が8月28日に開催され、鉄道ファンの親子が熱い視線を送った。
同センターはJR東日本管内でも最大級の鉄道工場。工場労働者が周辺に多く住み、大宮が「鉄道の街」と呼ばれるゆえんでもある。最近では、全国の蒸気機関車の復元や修理を一手に引き受けることでも知られ、鉄道ファンにとっては鉄道博物館と並び聖地とされる。
企画は、大宮区の地域資源である同センターの見学を通じて「ふるさと大宮」を再発見しようと、大宮区コミュニティ課が2010年から始めたもの。本年度は3回を予定し、今回はその2回目。3倍を超える応募者から抽選で選ばれた約50人の小学生の親子が参加した。
工場内では、車輪や車軸の検査をしている場所や、車体をつり上げて台車と分離する巨大なクレーン、修理や改造した車体に塗装する機械など、普段は見られない電車の姿がみられ、子どもたちはカメラをあちらこちらに向け興奮気味にシャッターを切っていた。スタッフからは安全を確保するために随所に施された工夫についても説明があり、男児に付き添い参加した父親の一人は「こうしたところに歴史ある工場の職人魂を感じた」と話していた。
見学の目玉は、東北の復興を応援するために復元されている蒸気機関車「C58」。盛岡市の公園に展示された車両を移送して復元しているもので、復元後は釜石線での運行が予定されている。現在は運転台と台車がそれぞれ手作業によって復元作業が進められており、作業風景に熱い視線が送られた。
初めて参加した男児は「一番好きなのは埼京線。その車両を下から見られて、感動した」と興奮気味に感想を話した。
次回開催は来年3月末ごろの予定。さいたま市のホームページなどで知らせるという。