
大宮の生花店「casui(カスイ)」(さいたま市大宮区浅間町2)がオープンして、3月18日で1カ月がたった。
アンティークの鏡や椅子が設(しつら)えられた美容室の施術台にディスプレーしたツバキ
与野で生花店「nagi GreenWorks(ナギ・グリーンワークス)」(中央区)を経営する店主のJinさんが、美容室「atelier HOMARE(アトリエ・ホマレ)」の定休日を活用して営む同店。同美容室店主の飯田誉さんが、店内装花を担当していたJinさんに、「インテリアと定休日を生かして、生花店を開きたい」と相談を持ちかけたことが開店のきっかけだったという。店名の「casui」は、美容室の定休日である「火曜・水曜」に営業することから名付けた。
店内には、150年前に作られたドアをはじめ、フランスのアンティーク家具や小物が数多く並ぶ空間の雰囲気に合わせて選んだ花や枝物を常時30種類ほど並べる。「仕入れのコンセプトは、『1本でも楽しめる花』。ギフトではなく『花を飾る日常』を楽しんでもらえるよう、1本でも存在感があるものや、空間の雰囲気がセンスアップするような花材を選んでいる。アンティーク感のある色味を実現するため、スイートピーやラナンキュラスなどを自分で染めることもある」とJinさん。「無理せず細く長く花を楽しんでもらえるよう、通常より少し抑えた値付けを意識し、1本300~2,500円ほどの価格帯にしている」とも。
オープンから10日足らずの営業日で、250人ほどの来店があったという。Jinさんは「行きつけ以外の美容室に足を運ぶ機会はなかなかないもの。普段使いしやすい生花店への来店をきっかけに、美容室の存在や空間の魅力が新たに認知されるという異業種間の化学反応に、手応えを感じている」と話す。
「平日2日間の営業に対してどれだけのニーズがあるか未知数だったが、既に何度も足を運んでくれるお客さまもいる。『週に1度花を買いに行く』という行為が当たり前になりつつあることが、とてもうれしい。花1本の購入でも、雰囲気を楽しむだけでもいいので、気軽に来店してほしい。今後は、洗練されたインテリアとたっぷりの装花を背景にした撮影会も企画していけたら」とも。
営業は火曜・水曜の10時~18時。