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大宮西口に映画館、シェアハウス、カフェの複合施設オープンへ

代表の今井健太さん

代表の今井健太さん

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 映画館、シェアハウス、カフェから成る複合施設「OttO(オット)」(さいたま市大宮区桜木町1)が4月29日にグランドオープンする。

53席のミニシアター、階段教室のような傾斜をつけている

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 かつて大宮駅周辺には「白鳥座」「ハタシネマ」など10館以上の映画館が存在したが、現在は駅からやや離れた場所にあるシネコン2館のみ。同施設のオープンにより、約20年ぶりに大宮駅周辺に映画館が開館し、これまで人口100万人以上の都市で唯一ミニシアターがなかったさいたま市に初めてミニシアターが誕生する。

 同施設を運営する今井設備工事社長の今井健太さんは「義父が所有していた建物が区画整理事業に伴い建て替えとなり、義父からその計画を任された。新旧の住民をつなぐ場所を作りたいとの義父の思いを受け、誰もが気軽に立ち寄れ、次世代まで機能する場として、公共性のある映画館の構想が浮かんだ」と振り返る。施設名の「OttO」は、当時6歳だった息子が「お父さん」を「おっ父(おっとう)」と呼んでいたことから名付けた。今井さんは「後になって古代ゲルマン語で『相続財産』を意味する言葉と知り、偶然にも施設のコンセプトと合致した」と話す。

 同施設の建設計画には当初、反対や無謀だという声があったが、次第に支援してくれる人も増えたという。「設計・監理を手がける建築家の佐々木善樹さんから、公共性のあるものについては多くの人と話し合うべきとの助言を受け、映画関係者やキュレーター、構成作家、バーテンダーなど多彩なメンバーとブレーンストーミングを重ねた。収益性が低い映画館と、シェアハウス、カフェを融合させて採算が取れるようにと考えた」と振り返る。

 敷地面積は220平方メートル。5階建てで、1階のバーカウンターと半地下のカフェスペースではドリンクや軽食を提供。2階は約220インチのスクリーンを設置した53席のミニシアター。座席には、山形県の「鶴岡まちなかキネマ」から譲り受けたシートを使い、2人がけのソファクッション席も用意する。音楽ライブや貸し切り上映にも対応するほか、ベビーカーのまま入れる「親子ルーム」として利用できる防音室も完備。今井さんは「音や光が苦手な方も、安心して防音室を活用してもらえたら」と話す。3階~5階の全25室のシェアハウスは、短期から長期まで利用でき、女性専用フロアも用意。住人専用のダイニングルームは2階に設けているため、「日常の中に映画が自然に溶け込む暮らしができる」という。入居は3月から始まっている。

 今井さんは「公園や公民館のような『まちのハブ』として、誰もが来られる場所で映画文化を育む場所になれたら」と意気込む。

 4月12日・13日に完成見学会を行い、関係者や近隣住民など200人以上が訪れた。4月29日のオープン日には4作品を上映する。

 映画館の開場時間は9時30分。上映日は週4日から徐々に増やす予定。料金は1,800円。カフェの営業時間は9時~21時。

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