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地場産業の課題解決型授業 埼玉の女子大生が提案、新しい皮革製品 

発表に臨む同学部の学生

発表に臨む同学部の学生

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 跡見女子学園大学マネジメント学部(新座市中野1)の地場産業の課題解決に取り組む「PBL授業」で、1月21日、22日に草加市の皮革産業の振興策をテーマに、学生が発表を行った。

発表した細川ゼミの学生と審査を担当した同組合の河合さんら

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 「PBL」はProject Based Learning、Problem Based Learningの略称で、「課題(問題)解決型学習」と訳される。暗記や受動的な学習ではなく、自ら問題を発見し解決していく能力を身に付ける教育法として、大学や高校などで取り入れられ始めている。

 同大学では、2015年からPBL授業の取り組みが始まり、ホームセンター市場の活性化を図る「DIY女子拡大策」や、狭山茶を使ったレシピの考案、訪日外国人の埼玉県への誘致策の提案など、地場産業の課題解決を中心に約15件のプロジェクトを実施してきた。同学部の1~2年生で構成するゼミでは、春学期にマネジメント論の基本やマーケティング戦略などにについて学び、秋学期に実際の課題解決に取り組む。

 今回は「草加市の魅力発信」「若者に『ささる』皮革製品のアイディア」など、草加市の埼玉皮革関連事業協同組合の課題解決がテーマ。草加市の皮革産業は、牛革や豚革だけでなく、ハ虫類やサメなど、多種多様な皮革を扱い、原皮から製品を扱う各産業がそろっているのが特徴。一方で昭和50年代以降、安価な輸入製品が急増したことや合成皮革の性能の向上から、国内の皮革産業が停滞しているのが課題だという。

 課題に取り組んだのは、同学部の山田ゼミと細川ゼミに所属する学生で、女性を対象とした調査や、皮革製品の特徴をもとにした商品アイディアの模索などを行った。細川ゼミでは、新商品やプロモーション方法を提案するコンペティション形式の発表を実施。優勝したチームは「はじめてのおくりもの」というテーマで、皮革製品の通気性や耐久性などの特徴を生かしたベビー用品を提案し「丈夫で長持ちし、1つとして同じものがない皮革製品のように、赤ちゃんにも健康で個性豊かに育ってほしいという願いを込めた商品ができれば」と発表した。

 同組合の河合泉さんは「若い学生が考える提案は斬新で、まさに目からうろこが落ちる内容だった。すぐにでも採用し商品開発に取り入れたいアイディアもいくつかいただいた。皆さんが主体的に課題解決に取り組んでいて、しっかりとした裏付けがあるのが印象的だった」と振り返る。細川ゼミに所属する荷田優樹さんは「皮革製品にはあまりなじみがなかったので、若い世代にも魅力的に感じてもらうにはどうするべきか考えるのが難しかった。ゼミで学んだマーケティング論を生かしてテーマに臨めたので、チーム全員で楽しく発表ができた」と話した。

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