「くず」を使い、アイスのような和菓子に仕上た「くずバー」の新メニュー「ラムネ」「すいか」が4月から、さいたまの老舗和菓子店「大こくや」(さいたま市中央区本町東2)で提供されている。
与野本町駅東口高架下にある「大こくや」は創業51年、与野本町通りで開業し、20年前に現在の駅高架下に移転。おはぎ、串だんごなどの昔ながらの和菓子のほか、「小倉」「いちご」「コーヒー」「紅赤」「キャラメルメロン」「抹茶」と6種の味の生どら焼き「彩どら」(170円~)、中央区の花「バラ」をモチーフにした焼き菓子「彩の薔薇」(120円)など、和洋折衷の菓子もそろえる。
店主の前田貴史さんは24年前から店に立つ。「いずれ店を継ぐ予定ではいたが、幅広い経験をしようとパン屋で修業していたこともある。父が急逝し急きょ店を継ぐことになり、先輩職人にご指導いただき伝統的な和菓子を作りつつ、新しい発想のものも取り入れてきた」と話す。
3年前から提供している「くずバー」も新しい試みの一つ。知人から「大阪にこんな菓子がある」と聞き、「これなら若い人にも食べやすいお菓子になる」と試作を始めた。アイスのような見た目、食感、フレーバーやトッピングなどを試行錯誤しながら、「小倉」「マンゴーみかん」の2種類から店頭に出し始めた。幼稚園帰りの親子や、高校生など、既存とは違う顧客がつき始めた。
前田さんは「凍っている状態ではシャリシャリとアイスのように食べられ、少し溶けてくると、くずの柔らかい食感がでてくるが、溶け落ちることはないので、小さい子でも慌てず汚さずゆっくり食べてもらえる」と話す。
徐々に種類を増やし、現在は「レモン」「ゆずパイン」「大納言」「抹茶」「いちご」「白桃」も加わり、この夏の季節限定メニュー「ラムネ」「すいか」を合わせ10種類のフレーバーが楽しめる。人気は定番の「小倉」「マンゴーみかん」、新発売の「ラムネ」(170円、5月から200円)もきれいな水色で人気がある。「高校生などはインスタなどに投稿してくれているようだ」と前田さん。
「くず」を使い低カロリー、高栄養なのも売りで、食物アレルギーの特定原材料に準じる20品目も使っていないという。店のスタッフは「家に持ち帰る途中で溶けてしまったら、また冷凍すれば問題ないので、アイスよりも便利かも」とほほ笑む。「新食感で、見ても楽しい今までにない和菓子を楽しんでいただけたら」と呼び掛ける。
営業時間は10時~19時。月曜定休。