12月18日朝、さいたま市で濃霧が発生し、大宮駅西口にそびえる地上31階建てのビル「大宮ソニックシティ」(さいたま市大宮区桜木町1)が一時視界から消失した。
正午ごろ撮影。普段通り「大宮ソニックシティ」ビルが見える=さいたま市で濃霧
霧は大気中の水蒸気が飽和状態に達して発生する現象。気象観測では視程1キロ未満のものを霧と呼ぶ。埼玉県内唯一の地方気象台である熊谷地方気象台によると、前日の雨で大気中の水蒸気量が多かったこと、上空に雲が少なかったため放射冷却により地表の空気が一気に冷やされたこと、風がほとんど吹いていなかったことから濃霧が発生したという。濃霧の発生は前日から予測されていたため、同気象台では17日21時48分に濃霧注意報を発令し「18日未明から18日昼前まで濃霧による視程障害に注意」と呼び掛けていた。
大宮駅付近では7時前より濃霧で視界の悪い状態が続き、高さ約137メートルの「大宮ソニックシティ」が目視確認できなくなる状態が2時間ほど続いた。9時15分ごろには霧が完全に消失し、いつもどおりの姿に戻った。大宮駅北側に架かる大栄橋付近でも同様の現象が発生した。大栄橋の上では、8時過ぎごろ、濃霧に包まれて建物が見えなくなった大宮駅方面をスマートフォンで撮影する通行人の姿も見られた。
大宮区桜木町在住の50代主婦は「今朝、高校生の息子を送り出す時に玄関のドアを開けたら、外が真っ白だった。息子の乗る電車が止まっていないかと心配した。今年の冬は暖かい日と寒い日が交互に来て、体や感覚が付いていかない気がする」と話していた。
この霧の影響で大宮駅を発着する湘南新宿ライン、宇都宮線、埼京線では通勤ラッシュの時間帯に遅れが発生した。JR東日本大宮支社によると、午前11時30分現在、遅れは徐々に解消しつつあるという。