岩槻の有志和菓子店が共同開発新商品「岩槻こはく菓子 ひなな」が2月14日にお披露目され、各店での販売を始めた。
2月22日のさいたま市岩槻人形博物館のオープンに合わせ、岩槻の和菓子店5店(磯崎家宗庵、秋月、田中屋本店、時乃鐘田中屋、藤宮製菓)で構成する「岩槻特産品研究グループ」が「人形のまち岩槻にふさわしい、新たな特産品を」と開発した。
琥珀(こはく)菓子は、その名の通り宝石の「琥珀」に似ている透明感のある菓子で、主な材料は寒天と砂糖。昔からある和菓子ではあるが、手間が掛かることなどから、同グループの和菓子店では現在は作っていなかったという。
2019年秋ごろより勉強会を始め、作り方の講習、「岩槻らしさ」「人形」をキーワードにコンセプトを検討。「江戸好みの色使い」を実現することで、果汁を使い、色も味も特徴を持たせることができると、「5味5色」「箱の大きさ」を共通にし、それ以外は各店の職人が試行錯誤の末、作り上げた。人形モチーフをベースに、全体的なバランスで各店趣向を凝らした「作品」となっている。
ピンクは白桃、黄色はミカン、青はブルーベリー、紫はブドウ、茶色はアールグレーで味と色を表現。藤宮製菓の佐藤高広さんは「人形博物館の学芸員の方にもアドバイスいただいた。江戸時代の人形の衣装の色などに使われていたそうで、味はメンバーのお子さんに協力してもらい子どもにも食べやすいフルーティーにした」と話す。
キラキラとした琥珀菓子は「写真映え」することから、SNSを通じて女性を中心に最近注目され始めているため、今回の開発には「女性の視点」を取り入れたという。
田中屋本店の職人・冨金原紀子さんは「和菓子の枠にとらわれず、若い女性が手に取りたくなるようなかわいいお菓子にしたかった。ネーミングもやわらかいイメージにした。こうしなければという縛りがなく、自由な発想で取り組めた」とほほ笑む。琥珀菓子作りは初めてだったと言い「ちょっとした分量の違いでやわらかさや見た目も変わってしまうところが苦労したが、思い描いていたものが実現したのでうれしい」とも。
秋月の職人・蓮見恵太さんは「今回は3月・春をイメージしたものとなっている。季節によって変えていきたいので、楽しんでほしい」と呼び掛ける。
価格は1箱860円。各店のほか、3月8日まで大宮駅東口の「まるまる東日本」で販売している。常温で1カ月ほど保存可能。