大宮駅東口にあるCD店「more records(モア・レコーズ)」(さいたま市大宮区仲町2、TEL 048-677-0862)が6月、「CDサブスクリプション」を始めた。
大手CDショップに勤めていた橋本貴洋さんと穴原由紀子さんが「音楽好きな人だけではなく、いろいろな人にすてきな音楽を届けたい」と2011(平成23)年にオープンした同店。店に置いてある全CDが試聴でき、インストアライブを開くなど「音楽に詳しくなくても気軽に立ち寄ってもらえるような」店づくりを心掛けてきた。2017(平成29)年にはオリジナルレーベル、2020年には会員制フェイスブックグループを立ち上げるなど、音楽文化を維持するための仕組みづくりにも取り組んでいる。
2020年からのコロナ禍で、インストアライブが開けず、店に足を運ぶ客も減少した一方で、家にいる時間の増加などで「音楽の需要は増えていると感じている」と橋本さんは話す。「何か良い音楽を聴きたいけれど、忙しくて探す時間がないという話をよく聞く。確かに今は情報がありすぎる半面、ふと耳に音楽が入ってくるような音楽との自然な出合いが減っている」と話す。
今回のCDサブスクリプションでは、毎月月初に、橋本さんと穴原さんが選ぶ1~10枚のCDを登録先の住所に届ける。「新譜の中から、ぜひ聴いてほしい音楽を選んで届ける。どちらかといえば、一般的に聴きやすい音楽をまずはお届けするので、気軽に聴いていただけるはず」と話す。「届けるCDは事前にお知らせするので、すでに持っている場合は変更が可能」とも。
「音楽はダウンロードで入手するという人が増え、CDが売れなくなっていたところに、コロナ禍でCDショップの売り上げも下がり、(CDを製作している)音楽レーベルはかなり厳しい状況に陥っている。サブスクリプションで確実に届ける先があれば、CDを作ることも可能になり、アーティストやレーベルの支援にもなる。はやりの曲だけではなく、幅広く音楽文化を維持するためにも、気軽に良質な音楽を聴いていただけるきっかけになれば」と呼び掛ける。
会費は月額2,500円~。申し込みは随時受け付けている。