大宮の老舗結婚式場「清水園」(さいたま市大宮区東町2)が、温かいスープやケーキ、コーヒーやホットワインを販売する青空マーケットを初めて開催した。
クリスマスマーケットでは、さまざまな雑貨や温かいスープなどを販売した(写真=菊池俊秀さん提供)
清水園は、武蔵一の宮・氷川神社の二の鳥居近くにある老舗の式場。「先代会長の父が20年くらい前から、氷川神社への参拝者がせっかく大宮にお越しになった機会に、ホッと一息付けるような場としてカフェのようなものを作りたいと願っていた」と常務取締役の清水清津里さん。先代会長は昨年他界し夢はついえたかに思われた。
転機は昨年夏に訪れた。大宮アルディージャからの提案で、コラボ商品としてチームカラーのオレンジを意識した「オレンジケーキ」を開発・販売したところ、これが大ヒット。清水さんは「夢を実現するためには、まず1回試してみることで扉が開かれる」ことに気付き、氷川神社の酉(とり)の市である十日市に合わせて、先代の夢実現への一歩として、初の青空マーケットを開くことを決めた。
「清水園クリスマスマーケット」と題した青空マーケットは12月10日、普段は駐車場として使っている二の鳥居に面した交差点の角に開設された。ヨーロッパでポピュラーなクリスマスマーケットを意識したクリスマス雑貨や年飾りなどの小物販売コーナーのほか、参拝者がくつろぎながら暖まれるよう、温かい3種のスープ、コーヒー、ホットチョコレート、ホットワイン、ケーキなどを用意した。テーブルと椅子を多く用意し、バーテンダーによるカクテルコーナーや、キーボードとバイオリンのミニコンサートも展開した。
来場者からは、「普段は十日市に行って帰るだけだったが、こうしてとどまる場所ができたのはうれしい」「寒空の下だったが、ホットワインで体も温まり、に座っている間に旧友ともゆっくり話ができた」などの声が聞かれた。
その後、周囲からの反響がとても大きく、協賛の申し出や、他のイベント機会での出展依頼などが相次いでいるという。「こんなに反響があるとは思わなかった。今後は12月の開催を主としつつ、他の季節などにも開催の機会を見つけていきたい。ゆくゆくは先代社長の夢である常設カフェの実現を目指したい」と清水さん。