さいたま市の障がい者就労継続支援事業所「朗真堂」(さいたま市北区大成町4、TEL 048-782-9003)で2月9日、「障がい者の就活ガイド」(左右社)を出版した紺野大輝さんが講演を行った。
紺野さんは北海道出身。脳性まひによる脳原両上肢機能障がいを持って生まれ、医師から「一生歩けない」と宣告されるが、4年間の入院で歩けるようになった。幼稚園から高校まで普通学級に通い、体育の授業にもできる範囲で参加し、級友とも自然に付き合っていたという。
上京し法政大学卒業後、厳しい条件の下で努力と工夫を重ね就職活動を成功させ、一般企業に就職。15年間会社員として勤務してきた。そうした経験を基に会社員の傍ら、障がい者雇用の啓発活動を行っている。
紺野さんは、就職を考えるところから求人の探し方、応募の際のコツや障がいの伝え方など具体的な方法を丁寧に解説。「自分を冷静に見つめ、自分ができることをアピールするのがいい。たくさんの応募者の中から選ばれるには、自分をよく見せるよう地道な努力が必要」とアドバイスした。
利用者の一人は「自分の置かれた状況を冷静に分析していく姿勢がすごいと感じた。チャレンジして失敗しても次にできることを考えて行動するのが大事だと気付いた。紺野さんのように身だしなみや履歴書の送付方法など細かい気配りができることが、障がいの有無に関わらず必要だ」と話す。
朗真堂代表理事の鈴木秀一さんは「障がい者の就労は特別なものではないということが分かった」と話す。紺野さんは「一人一人の力を生かした支え合いの社会にしていくきっかけになりたい」と活動への思いを語った。