さいたま市在住の絵本作家・五味ヒロミさんが5月24日、初の著作「おいしいまんまるさん」(岩崎書店)を出版した。
3児の母である五味さんは、幼稚園教諭を務めた後、現在はさいたま新都心にある「埼玉県立小児医療センター」で病棟保育士として勤務している。
幼稚園の先生をしていた頃は「ピアノがあまり得意ではなかった」という五味さん。「同僚はピアノ演奏で子どもの相手をすることもあったが、自分は絵本を読み聞かせたり、子どもたちと一緒に読んだりと絵本にたくさんお世話になった。絵本の持つ力の素晴らしさと楽しさに触れ、いつか自分でも書けたらと考えた」という。
話を作ることは好きだったが「絵本作家になりたいのに、絵が苦手だった」五味さんは、絵本作家の穂高順也さんの講座、きむらゆういちさんの「ゆうゆう絵本講座」に通い学んだ。今回の出版は、穂高さんのご縁で実現したという。
絵は埼玉県在住のわたなべあやさん。「ごめんやさい」「おやすみやさい」(ひかりのくに)、「いーれーてー」「えだまめきょうだい」(アリス館)など、食べ物が主人公のほのぼのとした絵本を多数描いている。
「おいしいまんまるさん」は、色とりどりの形や食べ物がでてくるお話。五味さんは「赤ちゃんに身近な色や形に興味を持ってもらいたい。リンゴやご飯など、離乳期から食べられる食材も出てくる。食べ物クイズもできるので、幼児や少し大きな子とも楽しめる」と話す。
「勤務する病棟には、食べ物に制限が掛かっている子もいる。『元気になったらこんなもの食べようね』と言いながら一緒に読めたら」とほほ笑む。「絵本は、親が子どもに読み聞かせたり、一緒に読んだりと親子の時間を共有できる。その時間にこの本を読んでもらえたらとてもうれしい」とも。