鉄道博物館(さいたま市大宮区大成町3)に7月14日、「鉄道ジオラマ」「トレインレストラン日本食堂」が全面リニューアルし、新施設「鉄道文化ギャラリー」もオープンした。
4月の「科学ステーション」「キッズプラザ」に続き、本館のリニューアルを進める同館。今回は、2016年9月に閉鎖した鉄道ジオラマを全面リニューアルし、その隣には鉄道文化ギャラリーを新設した。旧レストランTDは、トレインレストラン日本食堂にリニューアルし、高級感あるフルサービスのレストランとなった。
鉄道ジオラマは、旧ジオラマにあった観客席との仕切りガラスをなくし、リアルさを追求した造形や車両を間近に見ることができる。さらに壁面の大型プロジェクターには、8カ所に設けた地上カメラで捉えた映像を投影。車両は、新幹線・通勤・貨物などさまざまなHOゲージ車両を利用し、線路の総延長は約1200メートルとなる。
係員が解説しながら模型を動かすメインプログラムの「鉄道の1日」は、鉄道のさまざまな役割を説明するとともに、新幹線同士の連結や切り離しを実際に行い、通勤路線が混み合いながらも安全走行する様子など、臨場感を出した。実物と同じように、造形も細部にこだわり、線路にはバラスト(砕石)を敷き、駅や操車場など作り込んだ鉄道施設を配置。都市の様子や水力発電所のある山岳風景も見応えがあるものとなっている。
今回のプロジェクトを担当した同博物館職員の岩見隆則さんは「鉄道の運転システムと造形のリアルさにこだわり、40人が約1年をかけて作り上げたジオラマ。ガラスをなくしたことで音の存在感もある。迫力のあるジオラマを楽しんでもらいたい」と話す。
鉄道文化ギャラリーは、鉄道にちなんだ文学や音楽、映画、絵画、食に関する情報を約270点集めた。文学のエリアでは小説や漫画など77作品を集め、解説端末で各作品のあらすじや鉄道が出ている象徴的なシーンを表示。鉄道に関する食文化のエリアでは、30年以上続けて発売されている駅弁の食品サンプルやパッケージを展示するほか、駅そばに関するエピソードを紹介する。各エリアの解説端末で作品の紹介とともに表示される「いいね」ボタンを押すと、1週間ごとのベストテンが集計され、モニターに表示される仕組みも。
トレインレストラン日本食堂は、食堂車をテーマにしたノスタルジックな空間で、140席を用意。1938(昭和13)年に誕生した食堂車「日本食堂」の伝統の味を進化させたというデミグラスソースを使った「日本食堂スペシャルハヤシライス」(1,800円)、人気メニューを復刻した「ビーフカレー」(1,600円)などがあり、寝台特急「北斗星」で実際に使っていた食器やシルバーで提供する。
開館時間は10時~18時(入館は17時30分まで)。火曜休館(7月25日、8月は開館)。