大宮に4月4日、インターネットと通信制高校の制度を活用した学校「学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校」の通学コースの新キャンパスが開校する。
大宮校キャンパス長の石田さんとブルックリンスタイルの「職員スペース」(関連画像)
沖縄県うるま市に2016年4月にインターネットを活用した単位制、広域通信制課程の高等学校として開校した同校。
同学園企画部広報課の村田喜直さんは「通信制の学校というと勤労学生や何か困難を抱えている人のための学校というどちらかというと消極的な選択のイメージがあった。インターネットの発達や教育の多様化を背景に、通信制=ネガティブなイメージでは必ずしもなくなってきている。ネットの時代に最適な学校を作りたいと立ち上げた」と話す。
ネットコース開校後半年もたたないうちに「N高等学校なら通いたい。通学コースを作ってほしい」という声が生徒からでてきたという。「ネットの時代であっても、友達との直接のコミュニケーションや活動はやはり求められている」と必要を感じ、2017年4月に東京・代々木、大阪・心斎橋に通学できるキャンパスを開校。本年4月に大宮キャンパス(さいたま市大宮区高鼻町1)のほか、東京・御茶ノ水、神奈川・横浜、愛知・名古屋、千葉、福岡の計6校を新たに開校する。
大宮キャンパスは東口から徒歩10分ほど、大宮氷川神社参道近くにある。ブルックリンスタイルのキャンパスが明るく生徒を迎える。同校では4月から約70人の生徒が学び始める。
同校では、高校卒業のための必修授業はネットを通じて行う。5~10分の動画を見て、小テストなどを通じ理解度をチェックするほか、リポート提出やスクーリングもある。村田さんは「自主性に任せるため、レポートをためてしまわないように、教員は各生徒の進捗(しんちょく)などは都度チェックしフォローする」と話す。さらに、必修授業だけでなく、多彩な学びが選べるAdvanced Program(アドバンストプログラム)を任意で履修することができる。プログラミング、文芸小説創作、ファッション、パティシエなどをネットを通して学ぶことができる。
大宮キャンパスのような通学コースでも高校必修授業はネットを通じて行う。通学コースの特徴については、村田さんは「必修授業に加え、英語や中国語の外国語会話、プログラミング授業、大学受験対策などを自由に履修できる」と話す。「ディスカッションやプレゼンテーションなどを多く取り入れたアクティブラーニング型の授業も多く、2020年の教育改革でも重視されているプロジェクト型学習にも力を入れている」とも。
同校で行われる日常の連絡などにはコミュニケーションアプリの「Slack」を使う。ネットコースでは、毎日のホームルームも同アプリを使って行われる。プログラミングの授業ではプログラムコードやデザインデータを保存・公開できるツール「GitHub」など、ビジネスなどでよく使われているアプリを使うことで、スキル向上を図る。「今後使われるアプリやツールが変われば、時代の変化に合わせて新しいものを導入していく」と村田さん。
「変わった学校を目指しているのではなく、本校のような学びが5~10年後のスタンダードになるのではないか。変化の速いネット時代、社会や学校で求められることに柔軟に対応していきたい」とも。
同校の部活もネットを通じて行われる。「囲碁部」「将棋部」「クイズ研究会」「サッカー部」「格闘ゲーム部」「コンピューター部」「音楽部」など、特別顧問は各界からプロを呼び、ネットを通じた直接の指導を受ける機会もあるという。
同校大宮キャンパス長の石田博紀さんは「生徒の成長と頑張る姿が大好きなので、安心して良い環境で学べるよう職員一同準備している。楽しみに来てもらいたいし、私もワクワクしている。みんなと一緒に成長して地域に誇れる学校にしていきたい」と意気込む。