さいたま市内の全公立小中学校162校に同一メニューを提供する「さいたま市学校統一給食献立~10万人でいただきます!給食」が11月13日、実施された。大成小学校(さいたま市大宮区大成町2)では大宮パレスホテルのシェフらが児童と共に食事をした。
さいたまヨーロッパ野菜研究会と地域貢献に取り組む埼玉県内のシェフ18人からなるグループ「シェフクラブSAITAMA」、教育委員会が協力して昨年から準備を進めてきたもの。
シェフクラブSAITAMAのシェフがメニューを考案。162校それぞれが調理するため、同じ味が再現できるよう作り方を動画にし配信するなどの事前準備や、アレルギーや宗教上の制約がある児童もできるだけ食べられるように、小麦粉の代わりに米粉を使う、食物アレルギー特定原材料7品目や豚肉を排除するなどの配慮をしたという。
パレスホテル大宮の毛塚智之シェフは「いろいろな制約がある中でメニューを考えるのは大変だった。ルーの作り方ひとつでも何回も試作し、各校調理器具にも違いがある中で、どこで作ってもおいしく仕上がるように工夫を重ねた」と振り返る。
メニューはさいたま市産のカリフローレとさつまいもを使う「さいたまシェフズカレー」「さいたまカリフローレサラダ」の2品。大成小学校の栄養士の担当者は「児童生徒全員に行き渡るよう調理師が一つ一つ手作業で茎と花を裂いて1000人分用意し、トッピングとして別の入れ物で提供した。1000人分用意できてほっとした」と話す。
カリフローレはさいたま市内の種苗会社・トキタ種苗がカリフラワーの品種改良中に偶然生まれたさいたま市発祥の野菜で、茎が長く甘いのが特徴。現在はさいたま市を中心に栽培されているほか、ヨーロッパなどでも栽培されるようになったという。
3年生の野口実紗さんは「ちょっと辛かったけれど、サツマイモが甘かったから食べやすかった。毎日給食に出てほしい」、5年生の笹元耀君は「さつまいもがすごく甘かった。カリフローレと他の野菜にフレンチドレッシングが染み込んでいてとてもおいしかった」と完食していた。
児童と一緒に食べた毛塚シェフは「あっという間に食べてお代わりをしていたので驚いた。みんながうれしそうにおいしそうに食べてくれるのを見るのが一番うれしい」、長島淑子校長は「前日にカリフローレの実物を持ってきていただいたのを展示したら、みんなとても興味を持ってくれた。笑顔で完食してくれている子がほとんどだった。いろいろな野菜を好きになってもらえたら」と話した。