障がい者と健常者が共に鑑賞できる音楽コンサート「トライフルコンサート」が6月22日、複合文化施設「プラザノース」(北区宮原町1)で開催される。主催はトライフル。
今年で9回目となる同コンサート。障がい者やその家族に限らず、一般の来場者も多い。2010(平成22)年6月に同施設で初開催し、ジャスやポップスなどさまざまなジャンルを取り入れたコンサートを展開している。
今回は、弦楽器の四重奏のほか、日常品などを使ってリズム演奏を行う「りずむらいす」のパフォーマンスを企画する。今回演奏するヴァイオリン奏者の印田千尋さんをはじめ、受賞経歴のある演奏者・指揮者も多く登壇し、「障がい者向けではなく、一般の人、音楽好きな人、誰でも楽しめる質の高いコンサートを企画している」という。
同コンサートは、音楽家として活動していた同団体代表の牧田清美さんが、「社会福祉士施設いーはとーぶ」で行ったボランティアコンサートがきっかけで、「出張コンサートではできない、より本格的な音楽を楽しんでもらえる場を創りたい」という思いの下、始まった。特にクラシックのコンサート会場は一般的に私語や物音などが敬遠されることが多く、声を上げたり体を動かしたりしてしまうことがある障がい者が来場できるものが少ないのが現状という。
牧田さんは「福祉施設で障がい者の方々の前で演奏するたびに、彼らが集中して聞き入る空気や感受性の豊かさを感じた。障がい者は、できない部分に目を向けられがちだが、表現してもしなくても、感じるという部分は人として同じだと思う」と話す。同コンサートでは、演奏に合わせて拍手をしたり歌を歌ったりと、自由に鑑賞でき、「演奏を肌で感じてくれていることが分かり、学びのある場」と振り返る演奏者も多い。
会場は、車いす用席18席とその介助者席を用意するほか、寝たきりの人はストレッチャーでの来場も可能。「楽しそうに声を出したり、リズムに乗って体を動かしたりしているのであれば、それが彼らの表現なので大歓迎。障がい者、健常者、演奏者それぞれが学び合い、感じ合える場にしたい」とも。
開催時間は15時~17時。料金は一般=2,000円、障がい者・介助者=各1,000円。