ガス会社「サイサン」(さいたま市大宮区桜木町1)が9月19日、新型コロナウイルスの影響で延期となっていた入社式を行った。
1945(昭和20)年創業の同社。東日本エリアでの家庭用・産業用・医療用ガスの供給・販売をメイン事業に手掛け、本社をさいたま市に置く。1998(平成10)年に同社が設立した公益財団法人「サイサン環境保全基金」は、埼玉県内で環境保全に関する自主的な非営利・民間活動や学術研究を行う個人や団体に対して助成事業を展開するなど、地域に根差した活動も展開している。
同社の入社式は「家族を大事にする」ことをモットーに、遠方のグループ会社も含めた全新入社員のほか、新入社員の親も式に出席することで知られる。川本武彦社長は「成人しているとはいえ、子どもの晴れ姿を親御さんに見ていただきたいという思いと、サイサンという会社と家族ぐるみで付き合っていただけたらとの思いから、1973(昭和48)年から親子で出席する入社式を行っている」と話す。
新型コロナウイルスの影響で、当初4月に行う予定だった入社式を9月に行うに当たり、遠方の新入社員はウェブ会議システム「ZOOM」を活用したほか、社員の親はユーチューブのライブ中継を通じオンラインで出席した。
川本社長はこの日、新入社員に向け、「創業75周年の記念すべき年に無事77人の新入社員を迎えることができてうれしい。2045年の100周年を迎える時には、皆さんが幹部として経営を指揮する立場で活躍されることを期待している」と話した。
新入社員の一人は「このような難しい状況の中で入社式を行えたことはうれしい。地域の人の生活を支える重要な業務に関われることに誇りを感じるとともに、社会に貢献できるよう精進していきたい」と笑顔を見せる。