大人のキャリア教育を行う一般社団法人さいたまキャリア教育センター(SCE)(さいたま市中央区新都心2)が3月30日、埼玉で活動する人31人のインタビュー記事をまとめた電子書籍『はたらくらぶインタビュー2012-2017』をリリースした。
「生き方・働き方を組み立てる力をつける」大人のキャリア教育や男女共同参画に関わる研修の企画や運営、キャリア関連の記事執筆を請け負う同団体。
代表の古川晶子さんは学校や女性センター、人材会社、キャリアカウンセラー団体などさまざまな職を経験する中で、一貫して「人の力を引き出す」ことに注力してきた。
フリーランスで働く中、2010年に出産したことで、あらためて自らの環境を見直した。それまで当たり前に参加していたビジネスセミナーなどは「平日の夜に都内で開催」のため子育てしていると行きづらいことや、「友人知人が地元にいない」ことに気づき、さいたまで活動しようと2012年に団体を立ち上げた。
人のキャリアに関わってきた古川さんは「100人いれば100通りある、その人ならではの生き方・働き方に興味があった」と話す。
「学校を卒業したら、就職などで組織に属して働くものだという考え方が一般的だが、働いていくうちに職場でも自分や家族のことでもいろいろな変化に出会う。そこから違う道へ進んだ人が、やりたいことや自分なりに納得できる生き方を見つけて、生き生きと活動したりしていることを、伝えたいと思った」と2012年よりインタビューを行い、記事にまとめ始めたという。
古川さんは「レールに沿って生きていくパターンは提示されている。でもレールから外れてしまった時にどうすればいいかはあまり表立って語られないので、いざそうなると途方にくれてしまう。その時、困難を乗り越え自分なりに納得した生き方をしている人の事例に触れることで、その節目を乗り越え自分自身の力を見つけるきっかけになり、方向性を見つけられるヒントになったらいいと思っている」と話す。「今後は大人のキャリア教育を主なテーマとしてさらに書籍等を積極的に発行していきたい。より多くの大人にキャリアについて考えるきっかけを伝えていけたら」とも。
表紙デザインは、理事の遠藤ひろみさんが担当した。ココロアロマセラピストとして「頑張り過ぎ」な女性をサポートする講座などを担当している遠藤さんは、グラフィックデザイナーの顔も持つ。「ここ数年、デザインやイラストは趣味程度になっていた。表紙を作成して、絵の仕事の楽しさを再発見し、最近は積極的に手がけています」とほほ笑む。「自分の好きなことで何かしたい人、何か始めたくてモヤモヤしている人にぜひ読んでいただけたら」と呼び掛ける。
価格は324円。