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さいたまで福島の心をつなぐ-さいたま新都心で復興支援イベント開催

「小高だいこんかりんとう」を販売する、小高商業高校商業研究部の部員

「小高だいこんかりんとう」を販売する、小高商業高校商業研究部の部員

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 さいたま新都心のけやき広場で8月3日・4日、福島第一原子力発電所の事故による被災者や出身者による復興支援イベント「がんばろうふくしま つながろうさいたま2013」が開催され、多くの人でにぎわった。

大堀相馬焼の松永さん

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 原発事故の影響で今も避難生活を続ける人々や同地域の出身者が、夏祭りを通じて心をつなぐことで復興につなげる事を目的に、浪江町と南相馬市で生まれ育った7人 で結成した「相双ふるさとネットワーク」が開いた同イベント。福島県から埼玉県への避難者は7月30日現在で3216人(福島県発表)。当日は、原発事故の風化防止と被災者の孤立や孤独を防ぐことを目指し、さまざまな企画が行われた。

 浪江町に江戸時代から続く「大堀相馬焼」は、二重構造と走り駒の絵付けが特徴。震災では多くの作品が壊れ、さらに原発事故によって避難を余儀なくされたため全ての窯が町外に避難している。ブースを担当した松永和夫さんも現在は栃木県で避難生活を送っている。「避難生活当初は窯も無く、やることがなかったが、復興を支援してくれる人々に依頼され、扇子に走り駒の絵付けをするようになった」と松永さん。その後、東京で会社を経営する息子さんが、復興プロジェクトとして陶器のかけらを使ったシルバーアクセサリー「Piece by Piece」を企画。ネットなどを中心に評判が広がっているという。2012年に組合が二本松市に共同の窯を再建し、そこで再び作品を作り始めた松永さん。「やはり自分の窯を持ちたいという思いが強くあり、白河市に再建を計画している。自分の代までかもしれないが作品を作り続けたい」と話す。

 南相馬市の県立小高商業高校のブースでは、生徒たちがオリジナル商品「小高だいこんかりんとう」を販売した。同商品は、2007年に当時の流通ビジネス科3年生が地元特産の「金房大根」を使って開発したもの。原発事故によって金房大根を入手できなくなったことから生産が途絶えていたが、同校の商業研究部の生徒が中心となり、県内から仕入れた大根を使って名物商品を復活させた。現在は、新入生を中心に新商品を開発しながら、県内を中心にイベント会場などで販売しているという。「小高だいこんかりんとうはサクサクとした食感が人気。ぜひ、多くの方に食べていただき、福島のことをPRしたい」と同部の生徒の一人。

 イベントを企画した同ネットワーク代表の大田恵美子さんは「多くの避難者や出身者が集い、心をつなぐ機会になったのでは。原発事故が現在進行形で続いていることを、これからも多くの人に伝えていきたい」と話す。

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