岩槻市の人形製造・販売店の人形工房ひととえ(さいたま市岩槻区浮谷)が、中小企業庁の認定事業「地域資源活用プログラム」に認定された。
中小企業庁が、地域の名産品や伝統技術を利活用した商品やサービスの推進・発展を目的に行う同認定プログラム。企画段階の商品やサービスが法認定要件をもとに審査され、認定を受けると補助金、融資制度などの各種支援施策を利用することができる。
今回認定を受けた同社は、ひな人形や五月人形などのインターネット販売を中心に展開している。従来よりも小さいサイズで、かわいらしい表情が特徴の「ひととえブランド」は、製造から最終販売までを同社が行う。同社の大里幸子さんは「素材や技術は古来より伝統のものにこだわりつつ、現代のインテリアにマッチするコンパクトなスタイルで制作している。素晴らしい日本の伝統を守り、確かな技術と現代のニーズを捉えたスタイルをお客さまのもとにお届けすることを大切にしている」と話す。
同認定事業の対象となった商品は、手土産サイズのひな人形や五月人形など。素材は全て国産のものを使用している。A4サイズほどの箱に収納されたひな人形は、手動のネジをまわすと5段飾りに立ち上がり飾ることができる。国内企業から海外企業へを中心とした企業間同士の贈り物としての需要を期待しているという。
同社取締役の松永隆志さんは「小さいサイズの人形作りには技術や手間が必要なため、安定して制作することが難しいが『良いものを作りたい』という意思のもと集まった職人たちによって企画された商品。人形作りの業界は繁忙期と閑散期が著しいが、同商品が新しい市場の確立につながれば」と話す。
同商品の商品化は来年度以降を予定している。同社の商品はインターネットで購入できる。