個人営業のカフェを中心に紹介するカフェ情報サービス「たまカフェ」が4月20日、埼玉県内のテークアウトメニューを提供するカフェを紹介する取り組み「『#埼玉うちカフェ推し』プロジェクト」を開始した。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に伴い、店内営業を自粛しているカフェを支援しようと始まった取り組み。カフェはテークアウトメニューの写真を、客はテークアウトしたメニューや自宅でそれを楽しむ様子を撮影し、ハッシュタグ「#埼玉うちカフェ推し」を付けて、インスタグラムやツイッターなどのSNSに投稿する。「近所の人々においしい料理やスイーツを届けたい」というカフェと、「たまにはおしゃれな食事を楽しみたい」という人々をつなげるのが目的。
「たまカフェ」は、「たまに行くならこんなカフェ」をコンセプトに、カフェオーナーの思いやこだわりを紹介するサービスで、埼玉県内のカフェを中心に情報を発信してきた。見沼区在住で同サービス代表の玉利彰大さんは、「店内営業が主軸だったカフェは特に営業状況が厳しい店舗も多いと思う。地域の人々と一緒にカフェを盛り上げる取り組みを思案していた」と話す。店内営業からテークアウト営業への切り替えや営業体制の整備に手いっぱいで、宣伝などの情報発信まで手が回らない店舗の力になりたいと考えたという。
大宮区のカフェ「クロブチカフェ」(大宮区大成町1)は、4月11日から店内営業を休業。テークアウト営業のみに切り替えた。「宣伝が難しい状況の中、新規のお客さまに店を知ってもらえるきっかけになるなら」と同プロジェクトに参加しているという。テークアウト専用として新しくメニューに追加した「山形豚ジンジャーポーク」や「オムライス」(以上880円)のほか、店内提供でも人気だったという「サバサンドプレート」(790円)や「カレーライス」(880円)など、常時約6種類の弁当を提供している。一つの弁当でも違う種類の肉や魚を味わえるようにしたり、野菜を多く使ったりするなど工夫しているという。
同店オーナーの青木拓朗さんは「これまでと営業体制が一気に変わったので苦労も大きい。それでも、これまでのお客さまはもちろん、『こんなお店があったんだ』と近所に住む新しいお客さまが来店してくれることもあり、うれしい」と話す。広報担当の高橋美輝さんも「近所の方には日々の潤いに役立てていただき、そうでない方もSNSの投稿を通して収束後の楽しみとして心に留めていただければ」と期待を込める。
見沼区のギャラリー喫茶「Art Way」(見沼区南中丸)も持ち帰り用の弁当を中心に販売を開始。日替わりで提供していたランチメニューを改良して「日替わり弁当」として提供しているという。同店の磯田親志(ちかし)さんは「以前マルシェなどに出店したことなどはあるが、本格的にテークアウトメニューを提供するのは今回が初めて。電話予約などを通して混雑が起きないようお客さまも協力してくれている」と話す。
玉利さんは「たまカフェが『すてきカフェ』と地域の人々をつなげる入り口となればうれしい。新型コロナウイルスの収束後も、地域のハブとなるカフェが継続していけるように地域で応援していただければ」と呼び掛ける。