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さいたまで最新出土品展 市内発掘の縄文から平安時代までの土器や耳飾りなど

文様がはっきり見える、さいたま市内で出土した縄文時代の土器

文様がはっきり見える、さいたま市内で出土した縄文時代の土器

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 さいたま市立博物館(さいたま市大宮区高鼻町2、TEL 048-644-2322)で、「さいたま市最新出土展2017」が開催されている。主催はさいたま市教育委員会。

出土品について説明する学芸員の永瀬さん(関連画像)

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 1989年から始まった同展は、毎年9月頃に開催。今回は、2016年度に行われた市内23の遺跡・28カ所の発掘調査のうち16カ所から出土した縄文・弥生・古墳時代などの土器や石器、土坑や住居跡の写真パネルを展示している。

 発掘調査は、道路や住宅の建設に伴い行われることが多く、表層の土を取り除いた後、手作業で土器などを掘り出す。見つかった「遺構」は調査後には再び埋め戻されることも多い。出土品の中には、縄文時代の特徴的な文様が分かる土器、漆を塗った後が残る耳飾り、近隣では採れない黒曜石の破片などがあり、当時の生活が垣間見える貴重な資料となっている。

 同市生涯学習部文化財保護課の学芸員・永瀬史人さんは「さいたま市には遺跡として登録している場所が1100カ所以上もある。これは一つの自治体の中では非常に多い数。水辺に近く、高台で暮らしやすい大宮台地のヘリに昔の集落があったと考えられる」と話す。

 かつて、国の重要文化財「みみずく土偶」が発掘された国指定史跡「真福寺貝塚」は、一般に公開できるよう史跡公園としての整備を進めており、今回は縄文時代後期から晩期の土器や、耳飾り、シカやイノシシの骨、貝殻などが発掘され、展示されている。11月11日には午前・午後の2回に分けて、一般向けの現地説明会も行う予定。

 同展は今後、イオンモール浦和美園店・春野図書館・岩槻郷土資料館で2018年1月21日まで巡回する。永瀬さんは「買い物の合間にも実際の出土品をみていただけるよう、今年もショッピングモールでの展示を企画した。多くの人に見てもらいたい」と呼び掛ける。

開館時間は9時~16時30分。入館無料。9月18日まで。

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