大宮花の丘農林公苑(さいたま市西区西新井)近くで採蜜した蜂蜜「花の丘のはちみつ」の販売が9月2日、苑内の花の食品館直売所で始まった。養蜂を手がけるのは、今年養蜂家として新規就農した「ハニービーズヒップス」代表の勝田桂子さん。
勝田さんは12年ほど前に養蜂を始めた。中央区鈴谷で養蜂を営んでいた大室憲作さん、地域のベテラン養蜂家から指導を受けながら技術を磨いてきた。今年、養蜂を営む農業者として正式に新規就農。これまで蜂蜜は知人を中心に販売してきたが、地域の人にも味わってもらおうと、地元の農産物や加工品を扱う同直売所での販売を決めた。
巣箱を置く養蜂場は同苑に近く、現在は10箱を管理している。ミツバチの行動範囲には、公苑に咲く花をはじめ、周辺の梅や桜、菜の花や栗林、カボチャなどを栽培する畑がある。採れる蜂蜜は特定の一種類ではなく、季節ごとに咲くさまざまな花の蜜が混ざり合う「百花蜜」になるという。
勝田さんは「春と秋では咲いている花が違うので、蜂蜜の色や味わいも変わってくる。ミツバチは花の丘公苑にも飛んで行っていると思う。その時期の、この地域の自然を感じてもらえるのが特徴」と話す。春に採れる蜂蜜は比較的明るい色合いで、季節が秋に近づくにつれて色が濃くなるなど、採蜜時期による違いも楽しめるという。
採蜜は主に5月から9月ごろまで行う。巣箱から取り出した「巣脾枠(すひわく)」を遠心分離機にかけて蜂蜜を採り、非加熱・無ろ過で瓶詰めする。勝田さんは「糖度80度以上と品質にはこだわっている。パンにつけるのが一番シンプルで、蜂蜜そのものの味が分かりやすい」と話す。
一方、養蜂では夏から秋にかけてのスズメバチ対策や、ミツバチの冬越しが大きな課題になる。特に8月~10月は巣箱を狙うスズメバチが増えるため、捕獲器を取り付けるなどして巣箱を守る。ダニ対策や気温に応じた管理も欠かせない。勝田さんは「スズメバチが増える時期は本当に命がけ。ミツバチを守り、自分たちも安全に作業できるよう、さまざまな工夫をしている」と話す。
今後は養蜂場の近くに活動拠点を設け、ミツバチや食育をテーマにしたワークショップを開く構想もある。蜜蝋(みつろう)を使ったハンドクリームやリップクリーム作り、蜂蜜をかけた菓子などの軽食提供、贈答用商品の開発も検討している。
勝田さんは「養蜂やミツバチについて知ってもらい、地域の自然に関心を持ってもらえる場所を作りたい。まずは地元で採れた蜂蜜を、地元の人に味わってもらえれば」と話す。
内容量は180グラムで、価格は1,350円(入荷時のみ販売)。直売所の営業は、水曜・土曜・日曜・祝日の11時~16時。