暮らす・働く

さいたま新都心に地域の居場所「てらこやラボ」-利用の輪広がる

クラウドファンドで募った資金を元に、徐々に整備を進めている庭と池

クラウドファンドで募った資金を元に、徐々に整備を進めている庭と池

  • 0

  •  

 さいたま新都心の民家を舞台に子どもと地域の大人が互いに育ち合う地域の居場所「てらこやラボ新都心」(さいたま市大宮区北袋町1)がオープンして2カ月がたち、口コミを中心に利用の輪が広がっている。

心地よい日本家屋

[広告]

 同拠点は、さいたま新都心の南東側徒歩約10分の場所に位置する築50年の広い敷地の一軒家。家主の大場明美さんと放課後の小学生の居場所づくりを模索していた泉真帆さん、子育て中の大人と子どもたちの居場所づくりを模索していた佐藤裕子さんが出会い、「小学生の放課後×地域の大人=多世代で育ち合う場づくり」プロジェクトがスタート。クラウドファンディングで庭の整備費用などを募るなどして4月に正式オープンした。

 「地域の居場所」として同施設は、大人や子どもが集うさまざまな企画や、2階建ての一軒家を生かした場所貸しを行っている。毎週水曜日に行われている「小学生の放課後・アフタースクール」には毎回10人前後の小学生が参加。広い庭を生かした池や畑、花壇づくりや泥遊び、みんなで学び合う学習タイムやアート制作などを行っている。

 同企画を担当する泉真帆さんは「口コミで友達と一緒に遊びに来る子も多い。何かしらの特技を持った地域の大人を『まちの先生』とした学びや体験の場づくりなど、年齢や世代を超えた出会いの場づくりを一歩一歩進めている」と話す。庭の一角には、子どもたちと一緒に本格的な「秘密基地」を作るために準備中だ。

 毎週木曜日のオープンデーには、「楽読」「心理学」「マクロビオティック」「スモーク料理」など「大人の放課後」を楽しむさまざまな企画を用意。7月まで予約で埋まるほどの人気となっている。代表で家主の大場明美さんは「近所を中心に、店などにチラシを置いていただいていること、口コミなどのつながりで利用の輪が広がっている」と実感している。「夏休みに入ると、子どもを持つ家庭の生活リズムも変わる。大人の放課後をどのようにつくるかを考えていきたい」とも。

 レンタルスペースでも、ヨガのレッスンや、乳幼児を持つママ向けの茶話会、ハーブ教室など、次々に新しいイベントが企画されている。大場さんは「畳の心地よさ、欄間や天井の美しさ、ふすまを片付ければ一間になる機能性など、古い日本家屋が持つ心地よさと機能性も利用者にとって大きな魅力になっているのでは」と話す。シェアオフィスとして占有できる和室などにはまだ余裕があり、今後は会議や仕事場としても利用が進めば」と新たな利用に期待する。

 「焦らずに一歩ずつ、地域の居場所としてみんなで育てていきたい」と大場さん。さいたま新都心にうまれた新たなコミュニティー拠点が、少しずつ地域に根を下ろし始めている。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース