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埼玉の古豪サッカークラブ「さいたまSC」、アマチュアトップのJFL目指す

さいたまSC

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 日本のアマチュアサッカーリーグの最高峰・JFLへの特別枠での参入を目指していた埼玉の古豪サッカークラブ「さいたまSC」は12月4日、来期の参入が見送られたことを発表した。

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 同クラブは、埼玉県内の教員を中心にしたクラブとして、1953(昭和28)年に「埼玉教員サッカークラブ」として設立された。今年で創部60年を迎え、これまで国体・教員の部で9回、関東リーグ1部で4回の優勝を誇る埼玉県内の古豪だ。現在は関東リーグ1部に在籍し、今年は8位でシーズンを終えた。プロリーグのJリーグが2014年からJ3をスタートさせるのに伴い、アマチュアリーグの最高峰であるJFLも参加チームを再編成することから、同クラブも入会申請を行っていた。

 「埼玉には大宮アルディージャと浦和レッズというトップレベルのチームが存在する。地域のサッカー熱も高く、子どもから高校まで多くの若者がプロを目指してサッカーに取り組んでいる。しかし、プロになれるのはほんの一部だけ。プロになれなかった子どもや青年たちが、社会人として精いっぱいサッカーができる環境を整えることが私たちの使命」と話すのは同クラブの松沢喜久夫代表。

さいたま市を中心とする埼玉県全域をホームタウンに、トップチームがアマチュアの最高峰であるJFL参入を目指すことと、若者からシニア世代までが個人の意志で参加することができる「生涯型スポーツクラブ」を目指すことを発表している。「私たちのチームは、社会人のチーム。プロになれなかった子どもたちが、地域リーグを流浪しながら社会人になれない現象を憂慮している。社会人同士のコミュニティーとして、クラブの中で社会のモラルなどを学びながら、精いっぱいサッカーができる環境を整えていきたい」とも。

 現在のチームは、所属選手・スタッフの半分以上が県内学校の教職員と大学生などで構成している。秋山健二監督も前身である埼玉教員SCの出身で、県内の高校で教鞭を執る教員だ。「トップチームでも技術があるだけでは出場できない。サッカーに取り組む姿勢などを総合的に判断して出場選手を選ぶのが当クラブの特徴。」と秋山監督。あくまでも社会人チームとして頂点を目指すことを強調する。

 来期のJFL参入は見送られたが、年間6,500万円と試算される予算や、観客席などの要件を満たすスタジアムの確保、下部チームの設立や法人化など、課題を一つずつクリアしていく方針だ。クラブの事務所をさいたま市内に設置したほか、11月にはすでに活動しているセカンドチームが、さいたま市北部リーグから県3部リーグへの昇格を決めた。併せて、NPO法人格を取得するための準備も進めており、個人や法人・団体からのサポートを得るための協賛会員も募っている。

 「今回の参入見送りは残念だが、諸課題の解決を図りつつ、次年度は実力でのJFL入会を目指したい」と松沢代表。関東リーグ1部での優勝と全国地域リーグ決勝大会からのJFL参入を目指して新たな挑戦が始まる。

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