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与野の書店で「星の王子さま」朗読会 物語通して自分と他者を問い直す時間に

各自お気に入りの「星の王子さま」を持ち寄った

各自お気に入りの「星の王子さま」を持ち寄った

 声に出すこと、聴くことを味わう時間「サン=テグジュペリ『星の王子さま』朗読会」が5月23日、「でこぼこ書店」(さいたま市中央区上落合7)で開かれた。主催は、「さいたまナースケア」代表の宮崎由希さん。

朗読会を企画した宮崎由希さん

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 看護師として30年以上、患者や家族、生と死に向き合ってきた宮崎さん。朗読会を企画したきっかけは、アナキズム研究家の栗原康さんと編集者の白石正明さんのトークイベントだったという。「日々のケアを客観的に見つめ直したいと考えていたところ、2人の話の中で『朗読がいい』と聞いた。『私』という主体を使って他者を演じる経験を自分もやってみたいと思った」と振り返る。

 「うまく読もうと考えず、声にしてみること、聴くことを味わう」朗読会として参加を呼びかけ、今回は女性5人が参加。自己紹介の後、順々に好きな場面を朗読し、思いや感想を語り合った。

 たかりょんさんは、「王子さまが、修理で忙しい飛行士にとげのある花の弱さを訴える」場面を朗読。参加者からの「王子さまの悲しい『叫び』が伝わってきた」という感想に、「子どもの頃読んだ時は、飛行士は意地悪だと思ったが、親になって彼の態度も理解できた。子どもの話を聞くことは大して時間はかからない。聞けばよかったと反省」と話し、周囲も共感していた。

 「この話は読まず嫌いだった」というまさえさんは「キツネが王子さまに『特別仲良くなるための手順』を解説する場面」を読み上げ、「SNSが普及し、人とつながりやすくも切れやすい現代社会では薄れていることかも」と話した。キツネの言葉が河野万里子版では「なつかせて!」と翻訳されているところを、内藤濯版では「飼いならして」とされているなど、翻訳の違いで印象が異なることも話題になった。

 宮崎さんは「王子さまが地球に体を置いて遠くに行ってしまう」シーンを朗読。「看護師として、言葉にはしないけれど残していく家族と『大丈夫だよ』と交わし合う場面を幾度も見てきた。王子さまが『ぼく』に、『きみだけが、笑い上戸の星を見る』と言ったように、誰もが自分だけの輝く星を持って生きていると思う」と話すと、静かに涙ぐむ人もいた。

 会の終わりには宮崎さんから、王子さまが愛した「一輪のバラ」のプレゼントも。参加者からは、「一人で読書する時とは違った気持ちを感じた」「他の人の解釈や思いを知り、この物語の奥深さを再確認した」などと感想が上がり、宮崎さんは「いろいろな気持ちが込み上げてきた。それぞれが重ねている思いを知り、物語を新しい視点で見つめ直せた。次の朗読会も楽しみ」と話した。

 次回の朗読会は6月27日、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」を題材に同店で行う。参加費は1,000円。

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