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岩槻でヘイケボタル飼育講習会 生態や飼育方法を伝授、鑑賞会も

スポイトでホタルの幼虫をすくい取る新井治さん

スポイトでホタルの幼虫をすくい取る新井治さん

 ヘイケボタルの飼育方法を学ぶ「ホタル講習会」の今季最終回が5月31日、さいたま市岩槻区内の「岩槻ホタルの会」会長・新井治さんの自宅で開かれた。

新井さんのホタル飼育室

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 「ホタルの自生地」復活を目標に、昔ながらの自然がある郷土づくりを目指して、新井さんが1991(平成3)年に設立した同会。新井さんは35年以上にわたって自宅でヘイケボタルを飼育しており、現在その数は4000匹ほど。希望者を対象に講習会を開いているほか、2000(平成12)年からは毎年「ホタル観賞会」も開催している。

 講習は、「生態について」「飼育方法について」「飼育の現状と譲渡」の3回シリーズ。最終回となる今回は、新井さんのホタル飼育室で生態と飼育方法を講義した。新井さんによると、ヘイケボタルの卵は約20日間でかえり、幼虫は脱皮を繰り返しながら約10カ月間を水中で過ごすという。陸上に上がり、土の中でさなぎになると「450日度(にちど)」で羽化。450日度とは、気温と日数をかけた数。気温が25度の日が続く場合は約20日、30度が続けば約15日で成虫になるという。「近年は暑い日が多いから成長が早い。幼虫は暑さに弱く、人間が指で触れただけでやけどを負ってしまうほど。昨年は猛暑のためにほぼ全滅してしまった」と苦労もにじませる。

 「飼育セット」は新井さんが手作りしたもの。発泡スチロールケースの「水辺」にエアポンプを設置し、「陸地」には赤玉土と水ゴケをよく湿らせて混ぜた土を盛る。水の交換は「汚れが目立ったら半分ずつ替えればいい」という。「清流でしか生きられないホタルはゲンジボタルのみだが、適応力が高いヘイケボタルが激減した原因は水質ではなく、農業環境の変化。側溝にU字溝が入り、稲刈りのコンバイン走行を安定させるために田んぼの水を抜く『中干し』が行われるようになった。ホタルの幼虫は水がないと生きられないし、さなぎや成虫には湿気のある土が必要不可欠。私たちは便利さと引き換えにホタルを失った」と嘆く。

 受講生には幼虫50匹程度と、餌として近隣の水路で採集したタニシを提供。新井さんは「何事も失敗が大事。自分も始めて10年間は失敗ばかりだった。失敗を心配せず、気になることがあれば連絡グループに相談してくれれば」と伝えた。「ホタルの自生は本当に難しい目標だと実感しているが、意志を継いでくれる後継者を育てたい」とも。

 野田市から参加した齊藤統衛(もとえ)さんは「新井さんの話も興味深く、充実した時間だった。ホタルを見たことがないので光っているところを見られるように頑張りたい」と話していた。

 同会のホタル観賞会は6月27日・28日の2日間、20時~21時に岩槻区の岩槻城址公園で開催する。

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