お香の専門家「香司(こうし)」に習いながら香袋を作る「お香講座」が6月27日、西大宮の照賑山法光寺(さいたま市西区西大宮4)で開催された。
1625年、山内一豊の弟・康豊に由来する寺として開基した同寺。「人生の節目に寄り添うお寺」をコンセプトに、地域のつながりが生まれる場所を目指し、写経会(月1回)や寺子屋(7月)などを開いている。副住職の渡辺大延さん・優さん夫婦は「近年の都市開発によって街が大きく変化し、新しい住民が一気に増えた。古くから住む人と新しく移り住んだ人が関わるきっかけになることを願ってイベントを開いている」と説明する。
当日は近隣の住民や親子など20人が参加。講師の蔵立雅也さんは、寺院を対象に香木や線香などを販売する「上信堂」(東京都板橋区)の5代目社長。お香の調合から仕上げまで全工程を担う「香司」の資格を持つ。
冒頭では、蔵立さんが「お香と仏教」について歴史的背景を講義。お香は、釈迦が香木をたくことを好んだことから生まれた文化で、日本での記録は、淡路島に流れ着いた香木について書かれた「日本書紀」の記述が最も古いという。平安時代には、貴族の遊びとして「香道」が流行。「オリジナルの香を調合し、着物にたきつけていた。平安時代は香りが名刺代わりだった」と蔵立さんは話す。
今回は「初夏らしい爽やかな香り」をテーマに、上信堂オリジナルレシピで「老山白檀(ろうざんびゃくだん)」「かっ香」など7つの香木をプラスチックカップに入れて調合した。参加者同士、完成した香袋を交換すると、「自分のものと香りが全然違う」と目を丸くする人も。蔵立さんは「同じレシピで作っても、ちょっとした量の違いで香りが変わる。4日後には『龍脳(りゅうのう)』が揮発(きはつ)して、より甘くなる。変化を楽しんでほしい」と呼びかけた。
参加した小学2年の女児は「楽しかった。甘松(かんしょう)は変わった匂いだったけれど、一番好き」と言い、知り合いの紹介で来たという女性は「歴史も詳しく知ることができて面白かった。同じレシピなのに出来上がりに違いが出るのが不思議」と話していた。副住職夫婦は「これからも、ご縁を大切に、地域の方が気軽に寺に来たくなるような企画を開いていきたい」と意気込む。
同寺での「お香袋作りワークショップ」は今月25日、小学校低学年までの親子を対象にした夏休み企画「親子で寺子屋」でも行う。