JR東日本は7月23日~25日、大宮駅の「みどりの窓口」で、生成AI(人工知能)が切符の発券などの業務を担う「みどりの窓口AI対応サービス(仮称)」の実現に向けた実証実験を行う。
NECが開発した実証機は音声対話とタッチ操作で要望を伝える方式。7月20日から立川駅で行う実証実験で使う
同社は、グループ経営ビジョン「勇翔2034」の下で、駅におけるサービス高度化を目指している。その一環として、駅係員が担っている顧客応対業務の一部をAIが行うことで、スムーズな案内や待ち時間の短縮を図れるかどうかを検証する。
実験は、窓口内に生成AIと音声対話できる実証機2台を設置して実施する。今回は開発段階ということもあり、AIは利用区間や日時、人数などの聞き取りまでを行い、実際の発券作業は係員が対応する。AIが鉄道事業特有のルールや制度を踏まえながら、利用者の要望を正確に確認、整理できるかなどについて実証する。将来的には発券までAIが対応する完全自動化を目指しているという。
7月17日に報道関係者に公開したデモ実演では、実証機から「どのようなご用件でしょうか」と音声が流れ、「大宮から松島までの切符を買いたいです」と利用者がマイクに向かって話すと、AIが利用区間や日時、人数、割引の利用の有無などを聞いたうえで、候補となる経路や列車を画面に表示した。「日にちを間違えた」と言うと、「日付を訂正して受け付けます」とすぐに新しい候補を提示。利用者とAIのやり取りはチャット形式で画面左側に表示された。
実証機は、NECとソフトバンクグループ傘下のGen-AX(ジェナックス)の2社が、それぞれ開発。今回の大宮駅での実験では、Gen-AXが開発を担当した機器を使う。既に導入実績があるAIコールセンター向けのシステムを活用し、「タッチ操作は行わず、音声対話のみで利用できるようにした」とGen-AX ビジネスソリューション本部の亘理良輔さんは話す。駅の放送や会話など、雑音があふれる駅特有の環境下での聞き取り精度や使い勝手などを調べ、引き続き開発を進めていくという。
JR東日本モビリティ本部モビリティサービス部の小松誠治さんは「AIが窓口業務を行うことで、駅係員は人ならではの判断や海外から来た人など、サポートが必要なお客さまへの対応に注力できるのでは」と期待する。
当日は、「みどりの窓口」で切符を購入する利用者にスタッフが個別に声をかけ、実証実験への協力を依頼するという。