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さいたま・東大宮に「みんなの図書館さんかく」 あそび場併設、直営3館目

みんなの図書館さんかくharenoガーデン店 西松地所の森田潤社長(左)とトリナス代表理事の土肥潤也さん(右)

みんなの図書館さんかくharenoガーデン店 西松地所の森田潤社長(左)とトリナス代表理事の土肥潤也さん(右)

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 「さんかくharenoガーデン店」が東大宮のハレノテラス(さいたま市見沼区島町)B棟2階にオープンして、5月28日で1カ月がたった。ハレノテラスを運営する西松地所と「みんなの図書館さんかく」を運営するトリナスが共同運営する。

あそび場も併設 

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 一箱本棚オーナー制度のシェア型図書館「みんなの図書館さんかく」(以下、さんかく)の直営店は、静岡県焼津市の駅前通り商店街の空き店舗を活用して2020年3月に開館。2021年4月に2館目となる「さんかく沼津」が沼津市の信用金庫跡に、今回、3館目となる「さんかくharenoガーデン店」がオープンした。

 少子高齢化が進み、公共施設の存続が危ぶまれる中で「さんかく」には「自分事として図書館の運営に参画し、みんなで図書館を守り育ててほしい」という願いが込められているという。現在、全国に姉妹館が広がり、50館近くが運営されている。

 さまざまな世代の人たちが集まり、交流することができる場として「あそび×ほん×アート=つながる」をコンセプトにしたharenoガーデン店。店内には未就学児のあそび場(有料)と、全世代が利用できる民営図書館「さんかく」、見沼福祉会の利用者が作る「工房集」のアート作品の展示販売スペースから成り、「新しい『発見』と『好き』を見つける場所」を目指す。

 焼津の「みんなの図書館さんかく」の館長でトリナス代表理事の土肥潤也さんは「企業とタッグを組むのは初めて」という。「企業が商業施設内に、さんかくのような『私設公共』のスペースを作るのが画期的。harenoガーデン店がモデルとして運営できれば、ほかの商業施設でもこうしたスペースを作ろうかと考えてもらえ、ムーブメントになるのではと思った。さんかくにとってもチャレンジで、一つの社会実験でもある」とも。

 同施設では、本を手に取って読むだけなら無料。本を借りてゆっくり読みたい人は「借りるだけ会員」として、年会費500円で1回につき5冊まで2週間借りることができる。自分の本を置きたい人は「本棚オーナー」として好きな本を自由に展示・貸し出すことができるシステム。来館者と本を通して交流することができる。月額2,000円(年間2万2,000円)。

 同店初の本棚オーナーになったパーソナルトレーナー、ユウキさんの本棚には、体作りの参考になる本が並べられている。本棚の箱の中でのレイアウトは自由で、POPを付けることもできる。箱は80番まであり、好きな箱を選べる。「箱の中を見るとどんな人か分かって面白い」と店長の笛木由美子さんは話す。本の寄贈も受け付けている。

 土肥さんは「本がきっかけで出会った人たちが一緒にご飯を食べたり、遊びに行ったりと、別のつながりが生まれるのがうれしい。子どもだけでなく、父親や母親、高齢者の居場所にもなれば。何かを始めたい人が集まって『地域のよろず相談』のように、この場所が街のプラットフォームになってくれたら」とも。

 西松地所の森田潤社長は「子どもの頃のデパートの屋上のように、記憶の断片に残る施設であってほしい。ここに来て、『好き』を見つけ、本をきっかけに地域とのつながりを作っていただけたら」と呼びかける。

営業時間は10時~17時(あそび場は16時30受付終了)。

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