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聖学院大で「防災講座」-学生が企画、座学とゲームで体験的に学ぶ

とっさの行動を練習するゲームの様子

とっさの行動を練習するゲームの様子

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 聖学院大学(上尾市戸崎で8月17日、地域での災害に対する備えを学ぶ「みんなで学ぼう!!防災講座」が開講された。

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 企画したのは同大学生グループ「復興支援ボランティアチームSAVE」。東日本大震災の発生以降、復興支援活動として被災地に桜の盆栽とともに春を届ける「桜プロジェクト」やボランティアスタディーツアー、各イベントでの広報活動などを行ってきた。そうした中、「埼玉に住む私たちも災害に対する備えが必要と感じたが、地域で防災を学ぶ機会はまだまだ少ないことから、講座を企画した」と同団体代表の菊池祐太郎さん。「地域の方と共に講座を受講することで自助・共助の力をともに養いたい」とも。地域にはチラシ配布のほか、回覧板やフェイスブックなどで告知を行い、当日は自治会関係者を中心に25人が参加した。

 講座では、防災教育コンサルタントの宮﨑賢哉さんを講師に迎え、座学とゲームで地域防災について体験的に学んだ。最初に、この地域で想定される災害へ日頃からの備えと、災害発生時の決断を学ぶゲームが行われた。宮﨑さんは「例えば、防災セットを買えば備えは万全かというと、そうではない。家庭によって必要なものは異なるし、持っているだけでは使えないことも多い。災害時に何をするべきか、知っていることとできることは異なる」と、阪神大震災や東日本大震災の事例を交えて語った。「災害発生時に何をすればいいか、『知って』いれば『できる』とは限らない。日頃から訓練することで、災害発生時に対応できる力を身につけてほしい」とも。午後のプログラムでは、静岡県が開発した避難所運営ロールプレーイングゲーム「避難所HUG」などが行われた。

 会場には、日本損害保険協会が開発したカードゲーム「ぼうさいDuck」や、100円ショップで購入できる防災グッズなども展示し、参加者は興味深そうに確認していた。

 参加者からは、「被災したときに手際よく対応するためには、こうしたゲームなどを通した体験が必要だと感じた」「防災について具体的な話を聞き、参考になった。より多くの人に受講してほしい」などの声が聞かれた。

 菊池さんは「学生と地域の方に参加していただいたことで、災害が起きた際、大学を含めた地域で助け合う関係づくりのビジョンが双方に見えてきたと感じた。防災については今後も継続的に取り組もうと考えている」と話す。

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