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さいたま芸術劇場がリニューアルオープン 劇場内覧会に3000人

さまざまな色に変わるロトンダのライトアップで劇場を華やかに彩る

さまざまな色に変わるロトンダのライトアップで劇場を華やかに彩る

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 休館中の「彩の国さいたま芸術劇場」(さいたま市中央区上峰3)が2月8日、「リニューアルオープン劇場内覧会」を開催し、近隣住民など約3000人が来場した。主催は公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団。

大ホールでは音楽と照明を融合させ、大迫力の舞台機構のデモンストレーションを行った

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 1994(平成6)年10月に開館し、今年で30周年を迎える同劇場。大規模工事により、2022年10月から休館している。3月1日のリニューアルオープンに先立ち、内覧会を開いた。

 当日は改修設計を担当した香山建築研究所(東京都文京区)の浜野次郎さんが、「安心」「快適」「充実」のテーマでリニューアル工事の概要を説明。「安心」には天井の準構造化、空調・衛生設備の配管や防災設備の更新を挙げる。「快適」では全ホールの客席椅子の更新と視認性向上について解説。大ホール2階のサイド席は配置を変え、スツール型の席も新たに設けた。浜野さんは「手頃な価格で楽しめる、見やすいお薦め席になった」と話す。空調、光、音の環境も改善し、トイレの改修やバリアフリー対策も施した。音楽ホール1階と2階を結ぶエレベーターも設置し、車いす席への変更が可能な可動式席も増やした。「充実」では大ホール舞台のつり物機構の全面更新や舞台床面の張り替えを行った点が大きなポイントだという。大稽古場や大練習室の内装も更新し、演劇やダンスなど幅広いジャンルでの利用に期待する。その他、照明のLED化やインフラの整備も行った。

 大ホールでは音楽と照明を融合させた舞台機構のデモンストレーション、音楽ホールでは松浦野歩(まつうらのぼ)さんによるピアノ演奏のデモンストレーションを行い、来場者を楽しませた。夕方からは、シンボルタワーや光の庭(元情報プラザ)、ロトンダのライトアップを行った。新たなスポットとして、県内初出店の自由なアートの遊び場「CREP(クリップ)」や、埼玉県産の食材を取り入れた「cafe PALETTE(パレット)」をオープンする。シェイクスピア戯曲に登場する花やハーブを植栽した庭園「彩の国シェイクスピア・ガーデン」も新たに設けた。

 シェイクスピアシリーズのファンで劇場に何度も足を運んでいる春日部市在住の50代女性は「2階サイド席の向きが変わって、手すりも邪魔にならなくなった。高い位置にあるスツール席も見やすい」と話す。近くに住む50代女性は「しばらく劇場に来る機会がなかったが、新しくなった劇場にまた来たい」と話していた。

 イベント関係者は「昼間は大人が多かったが、夕方には学校や幼稚園帰りの子どもが増えた。想定以上に多くの方に来場していただいた」と話す。説明会の最後に、浜野さんは「劇場の新たな軌跡を見守り、今後もエールを送りたい。これまで以上に気軽に足を運んでいただければ」と呼びかける。

 3月の休館日は4日、11日、18日、25日。

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