安楽寺寺子屋美術展「照沼敦朗展」がお盆に合わせて8月13日~16日、浄土真宗東本願寺派「安楽寺」(さいたま市大宮区桜木町1)のギャラリーで開催される。主催は同寺。
現代美術家の照沼敦朗(てるぬま・あつろう)さんは1983(昭和58)年、千葉県生まれ、さいたま市で育ち、多摩美術大学絵画学科油画専攻を卒業後、国内外で作品の発表を重ねる。「弱視」という照沼さんの特性を軸に、「見ること」と「見えないこと」を問い続ける作品は、独自のキャラクターである「ミエテルノゾム」と「ミエナイノゾミ」を通して、現代社会を鋭く風刺し、ユーモラスに描き出す。
「ミエテルノゾムは『見えないけれど、世の中を見たい』キャラクターで、ミエナイノゾミは『見えているけど、見えすぎて目をつぶっている』キャラクター」と照沼さん。ノゾムとノゾミは子どもの視点から「純粋で鋭い」疑問を投げかける。
片目にレンズをはめているミエテルノゾムは照沼さん自身を投影。幼い頃、弱視のため教室の最前列で、単眼鏡で黒板の字を見ていた。他の場所で同じことをすると異質に捉えられてしまうため、作品では異質なものを排除する世の中への風刺的なメッセージを描いている。
中学1年生の時に引っ越した桜木中学校(さいたま市大宮区)で出会ったのが同寺住職の岩崎一道(いちどう)さんだった。2人は中学時代の同級生。岩崎さんの妻が偶然にも照沼さんの大学の1年後輩という縁もあり、今回の作品展につながった。安楽寺ギャラリーは2024年10月にオープン。現代美術の展示は今回が初めて。「うちが檀家である安楽寺にギャラリーができ、まさか自分が展示できるとは」と照沼さん。
岩崎さんは「古典作品は一方向から鑑賞して推測するしかないが、現代アートは作家本人から直接話を聞けて、双方向でやり取りしながら鑑賞できるのが楽しい。ギャラリーは涼しいのでぜひ足を運んでいただければ」と話す。
照沼さんは「美術や音楽の授業が減っている世の中だが、現代美術をもっと身近に感じてほしい。大人も子どもも気軽に訪れて、アートに触れてもらえたら」と呼びかける。
開館時間は10時~17時。会期中は照沼さんが在廊し、描き下ろし新作も展示する。入場無料。法要期間中のため、公共交通機関での来場を呼びかける。