ステンドグラスとコーヒーを楽しめるカフェ「SUTTENDO COFFEE(ステンドコーヒー)」(上尾市中妻1)が老朽化のため、8月30日で閉店する。
同店は2018(平成30)年、店主・森久憲生さんの母親が手がけていたステンドグラスギャラリーを改装してオープン。2022年から「上尾アートセンター」の拠点として、アート展や演奏イベントを企画してきた。閉店の理由は建物の老朽化。建物は40年ほど前に飲食店用に建てたもので、不具合が目立つようになったため決断したという。
窓や店内の仕切りのステンドグラスは、森久さんの母親が習う工芸家・臼井定一さんの工房「ステンドグラスバロック」(さいたま市)が制作。森久さんの母親やその友人たちが作ったランプシェードやランプカバーなどの多数のステンドグラス作品が店内を彩る。2022年には民放ドラマの撮影地にもなった。
森久さんは「オープンから数年はうまくいかないことも多かった」と振り返る。転機は、アートセンター立ち上げと同時に、小林優佳さん(ギャラリーペピン主宰)をアドバイザーに迎えて「喫茶芸術領域構築展」を始めたこと。知り合いの美術家・浅見俊哉さんの展示を見に「ONVO SALON URAWA(オンヴォサロン浦和)」に立ち寄った際、同展を企画する小林さんと出会い、背中を押された。「店を始める前は俳優や裏方として舞台芸術に携わっていた。もともとアートを好きだった。そういう面を出さずにカフェを営んでいたが、コロナ禍で客足が遠のいた時、『自分らしさ』を出していくと、いろいろな人が集まるようになり、店も変わっていった」と振り返る。
ジャズポップ・デュオ「ブルーカメレオン」が月1回開くリクエストライブ「人力ジュークボックス」は、アートセンターとして営業時間外に始めた「ナイトギャラリー」での出会いをきっかけに始まった。森久さんは「MCなしで、曲目リストからリクエストをもらい演奏する。ランチに来店したお客さまと演奏が共存できる仕掛けが作れた」と思い入れを語る。
森久さんは「地域の人が集まる場所、アートに出合う場所として一定の役割を果たせたと感じている」と話す。「この場所が(今後)何になるかは未定。残りのわずかな期間、足を運んでもらえたら」と呼びかける。
営業時間は9時~18時(月曜は15時まで)。「喫茶芸術領域構築展Duo(デュオ)浅見俊哉・神貴尋」は今月23日まで。人力ジュークボックス最終回は今月26日の13時~14時。